景気後退期に意識すべき2つの下落要素|不動産投資家育成プロジェクト in 熊本

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杉上開発の安東です。前回の記事では大筋の基本的な部分に再度立ち返り、不動産投資って結局何をどうすることなの?という点について確認しました。するとやはり最初の物件を買う時の「頭金問題」が大きいのではないかということになり、そこをクリアするにはお金をどう工面するかという話に集約される流れでした。

あとはタイミングとして景気後退期を待つのがよし、という話をさせていただきましたが、確かに景気後退期については不動産投資家である私たちも意識しておかねばならない2つの下落要素があるということを今回はお話します。そのうちの1つは当然ダメージが深刻なので、そこを想定しているかどうかは不動産投資家人生を左右することになります。是非この記事で押さえておいて下さい。

景気後退期に起こること

景気後退期というのは日経平均株価が下落してくる時期のことを指します。実際には具体的な株価の下落が始まる前から企業を絡む状況は徐々にその兆候を見せ始めるわけですが、それが一般社会的にも明確になるのが日経平均株価の下落ということになります。

日経平均株価の下落は企業の体力の低下を意味します。財務体力が下落するわけですから、内部留保を切り崩したりして目の前の運転資金を捻出しなければなりません。その時にも当然銀行からの借り入れに対する返済は止まりません。銀行も、この返済がちゃんと滞りなく進むのかということを懸念します。

その時に銀行が取る行動は貸し剥がしと言われます。要するに貸したお金を早めに回収しようと動くことです。でも企業も体力を落としているタイミングで銀行の返済を優先させれば運転資金の不足から一気に倒産に追い込まれることになります。それを避けるためには手元に持っている不動産資産を売却することで銀行への借り入れを解消してしまうという流れが起こります。これが貸し剥がしです。

本来であれば、物件を売りに出す時にはできるだけ高く売りきりたいというのが心情ですが、景気後退期にはそういった余裕はありません。一刻を争うので「なるべく高く」ではなく「なるべく早く」売ることを考えます。銀行は自分たちが貸した金額さえ取り戻せればいいので、極論その物件が持っているかちが1億円だったとしても、自分たちが貸した8千万を一刻も早く取り返すために8千万円で売却することも厭いません。こうして買う側からすれば格安の物件が市場に出てくるということになります。こちらが1つ目の下落要素「物件の価格の下落」です。

想定される2つの下落リスク

ただし、いい事ばかりではありません。なんせ景気後退期ですから企業レベルではなく、そこで働く個人の財務状況にも大きい影響を及ぼします。給料カットやボーナスカット、悪ければリストラです。つまり物件を借りる個人の金銭的な事情を勘案して、不動産市場も変動するという事です。

そこで起こるもう1つの下落要素が「家賃の下落」です。当然借り手が住居に払える金額が手元のキャッシュフローの中の割合として大きくなってしまえば、住居は固定費になりますから、より安い物件に移りたいと考えるのは普通ですよね。引越し代金との兼ね合いもあるでしょうが、長期スパンで考えた時には払う家賃を下げるという選択を考える人は少なくないはず。

この時に何もせずに手をこまねいていると空室リスクを助長することになるので、オーナーとして打つ手としては家賃を下げるというもの。同じような物件の相場を確認して、それらの競合物件と揃えるか、空室を埋めるためにもっと下げるかという判断になってきます。

はじめに物件を購入するという場合には物件の担保価値そのものが下がっていますから、固定資産税評価額と比較した時に価格が下回ってくる場合もあります。それが「ねじれ」で、購入する方は物件の属性自体はかえって上がってくれるので、個人の属性を気にせずに買えてしまうこともあります(物件の価値よりも物件の売値の方が安くなってしまうので、銀行としては最悪物件を売却することで十分に元が取れると保証されることになるから)。

しかし、すでに購入済みの物件で家賃の下落が起こると、それはオーナーとしては収益性の下落に繋がりますから痛い。ですから、この部分を当初から織り込んでおくか、景気後退期にどう自分が振る舞うと傷が浅くて済むのかという点を事前に考えておくことが重要かと思います。

実際、価格が下落することと同時に家賃も下落するということになれば、利回りが変動することになりますが、当初家賃設定7万円の部屋が10戸で1億円だった物件が、家賃を6万円まで下げて物件価格が8千万円まで下がったとしたら、8.4%だったものが9.0%に上がったりします。もっとそれ以上になることもありますし、購入時の金額が低ければ低いほど、景気回復に応じて家賃設定を戻していけば利回りも総じて上がっていきますので、こういったダイナミックな流れも観察しながら不動産投資を安心して取り組めるものにしていきたいですね。

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