ターゲットに合わせた不動産リノベ戦略|不動産投資家育成プロジェクト in 熊本

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杉上開発の安東です。先日熊本大学の住まい事業部にお邪魔して、現在の熊大生に関する住まい事情を伺ってきました。私が今検討している黒髪のアパートは、本来であれば熊大の学生に提供できるのがベストの物件ですので、そこにどれだけの可能性があるのかを探るのが目的です。

今回の記事ではターゲット層に合わせて行う不動産リノベ戦略についてです。誰にとってもよい物件、というのは特徴がなさすぎて客付けに困ります。今の物件が普通のアパートやマンションの物件であれば話が別ですが、こと私が手掛けている黒髪のアパートに関しては特徴的過ぎるので、物件に”目的””テーマ”を持たせる必要があります。そこに対する戦略です。

熊本大学生の住まい事情

まずはここから話をスタートさせます。今回お話を伺ってこれたのは、前のオーナーさんが以前熊大の生協に物件を紹介していた経緯があったからです。「今度あの物件を引き継ぐことになる者ですが、○○さんのご紹介で」という切り口でアポを取り、担当の方に色々お話を聞きました。

ざっくり言えば当然のごとくターゲット層の分類的には男性、女性、留学生という括りで検討することになります。そしてそういった方々がどんな物件を探すのかという心理傾向、どうやって物件を探すのかというチャネル選択、どのくらいの価格で探すのかという価格帯の分布などをお聞きします。

実際私がこの物件にこだわって内装どうしようこうしようと思っている一方で、入る側の学生さんたちは、シビアに「金額」で探している傾向が強いと言います。するとこだわって大きな金額を掛けてリノベーションしても、そのしわ寄せが家賃にいって「月家賃3万」となれば、客付けの成功確率が格段に下がると言われました。

実際学生の中での価格帯分布は2万強と5万強に山を持つ「ふたこぶタイプ」です。「M字」と表現しても良いと思います。ピークが2つあって、完全に価格で探しにくる層が2万強あたりにまとまり、価格よりも安心・安全を優先して探す層が5万強に寄ってくるという感じです。

また、探しに入る時期、仮押さえが始まる時期はなんとセンター(大学入試センター試験)前からだそうで、センターの結果によって「確定でお願いします」「すみません、キャンセルで」ということになるのだそうです。その時期からネットを中心に、生協さんで発行している物件紹介用の冊子だったり、住まい探し用の窓口だったりで”検索”が始まるのだそうです。

不動産リノベ戦略の方向性

そういった事情を知っているのと知らないのとでは全く発想の持っていき方が違います。敵をを知り己を知れば百戦危うからず。

まずは当物件の特徴と限界。ここから「5万強」の価格帯で打ち出すには相当付加価値を上げなければなりませんが、築40年以上の物件というだけで検索上はじかれる恐れもありますから、この物件で狙うなら「2万強」しかありません。

2万強で収益物件化するには、リノベーションに掛けられる金額にも制約が生じる。ただし、ここを少しでも引き上げられる選択肢として「女性専用の寮」というキーワードが出てきました。

日本人、留学生問わず、女性専用の寮という位置付けにして、清潔感とセキュリティ、家具家電付きという条件をクリアできれば、2万7000円くらいまでは上げられると思う、というのが先方の見解でもありました。

清潔感については月に2回程度清掃を入れる、セキュリティについては「男性の入室をどこまで許すか」、家具家電付きについては「簡易の冷蔵庫と電子レンジ、鏡は必須」ということでした。難しいのはベッドなので、折りたたみのベッドを入れるか入れないかという点も検討しましょうということでした。

投資戦略の再シミュレート

それでは、仮に2万7000円ということにして(15部屋中1部屋はどうしても玄関別の隔離された部屋なので、ここは1万円で)計算します。すると満室想定で月の家賃収入が

27,000×14+10,000=388,000円

物件価格と諸経費、仲介手数料が計1920万だとして、リノベーションに1000万掛けて、かつ頭金なしのフルローン10年、金利2%の元利均等返済で考えるとすると268,679円/月の返済。リノベーション代を500万にしたらほぼ無理だし、ここに家具代トータル100万くらいは見ておかないといけませんから、リノベ700万、家具代100万の計800万を乗せての計算で250,276円。

ここから水道、光熱費、清掃代、インターネットの使用量が差し引かれるとして、月5万で計算してもキツイ?6、7万残るかな?くらいです。それも満室想定で(汗)

それこそ一番ベストなのは、もっとリノベ徹底して他の付加価値加えて上の山(5万強)の価格帯まで引き上げられることなのですが、かなりぶっ飛んだアイデアが求められそうです。それに築40年以上の木造物件ですから、そもそも今後どれくらい保つのか分からない。そこにそこまでお金掛けるか?という問題もあります。

あくまでも今回のシミュレーションは大学生向けで考えると、という視点でしたので、ここに今企業向けの選択肢も視野に入れて動いています。

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