杉上開発の安東です。不動産投資家を育成するためのコンサルを提供するのに3ヶ月コースと6ヶ月コースの2パターンを検討しているところですが、実際3ヶ月で物件を買うことなんてできるのでしょうか。
ちなみに不動産は買い付けから購入までに最低1ヶ月くらい掛かります。買うべき不動産を選定するのにも最低1ヶ月は掛けたい。となると、3ヶ月で物件をリアルに購入しようとすると基礎知識をつけるための期間が正味1ヶ月しかないということになります。
しかしたった1ヶ月で急いで知識や見識を詰め込もうとすると無理がありそうですし、本業の合間に進めようとすればもっとタイトなスケジュールになります。となると1ヶ月で基礎知識を付けるというのは難しそうです。
小さな物件なら早く買える?
属性にもよるのですが、小さい物件、それこそ戸建てにしても区分にしてもそうなんですが、実はかえって買いにくい物件になります。小さいから、安いからと言って単純に買いやすいということにはならないようです。
ではなぜかえって買いにくくなってしまうのか。それこそ区分のマンションであれば100万くらいから買えるものもありますが、もしそれらを1戸から買って不動産投資を始めようとすると、銀行的にはかなりリスクを抱えることになります。
それこそ購入件数が1戸だと、All or Nothingです。入居があるかないかですから、今が仮に入居中でも、退去した瞬間から返済が滞るリスクが出てきます。そのリスクを銀行が負うか。100万くらいイイじゃん、となるか。なりませんよね。どんなに少額でも銀行自身はリスクを負うことは一切しませんので、小さな物件であっても安易に稟議を通すことはしないわけです。
少額であることがかえって裏目に出るのが事務的な手間です。銀行としては高々100万200万程度の案件に手間暇掛けたくないわけです。稟議書などの書類を整理したり審査に回したりの手間を小さな案件に掛けたくないので真剣に相手をしようとはしてくれません。
そういったリアルな理由で、小さい物件でも決して買いやすいわけではないということになります。もし小さな案件から手堅く始めたいということになれば、それこそまとめ買いなどでリスクを減らす方が良いかも知れません。そして実際にそういう手法が存在します。
プチ高速不動産投資
そこで考えたいのがプチ高速不動産投資!通常の高速不動産投資で行くとRC1棟マンションをフルローンで購入するというものでした。頭金が要らない分ローン負担が大きくなるものの、2割の空室リスクをペイできる案件ならばアリでしょう、というものでした。
ではプチ高速不動産とは何かというと、先ほどの小さな物件を1戸とかではなく4戸とか5戸とかまとめて購入する提案をするものになります。
銀行側が嫌う点は
・空室リスク
・金額の小ささ
だったわけですから、それを4戸に増やしてまとめて購入することで両方を解消することができます。
4戸買えば、そのうちの1戸が仮に空室になっても返済が何とか保てる、というのが銀行側の安心です。ですから戸数が多い方が実は空室を下げられて嬉しい。
また、金額も100万200万よりも最低500万円以上の案件にしてあげることで、逆に銀行も頑張る気になります。ちょっと偉そうな書き方になりますが、案件をリスクを減らした上で金額を上げてあげた方が、担当者もその案件を通しやすくなるのです。
急いで買うと怖い不動産投資
それこそ表面的には美味しい案件でも、よく調べてみると建物の損傷リスクがあって、後から更地にすることになるかも知れません。後から調べるとリノベーションに思っていた以上に金額が掛かって、結局今の想定よりも利回りが下がって損になる物件かも知れません。
そうやって、後から「え、そんなはずじゃなかったのに、、、」なんてことにならないようにするには、ある程度時間に余裕を持たせて動いた方が良いのです。ですから理論上確かに3ヶ月で物件を買うことは十分可能なのですが、その分見落としや考え不足で想定外が起こる可能性が上がります。それは不動産投資に関しては破産に繋がりかねません。
ですから物件の選定に1ヶ月とか、知識の習得に1ヶ月とかいうタイトなスケジュールは、実際やってみると全然時間が足りなかったりするのです。
ただ、早く買いたいと思う気持ちも理解できます。かく言う私もそうです。早く不労所得を得たい、どんどん物件を買って金持ちになりたい!と強く思います。
しかし結果的に、3ヶ月で急いで買うべきではなさそうだぞ、と気付いてしまえるものです。私も結果的に3ヶ月以内に決着を付けることに自身でブレーキを掛けてる感じです。
「ああ、そういうリスクもあるのか」
「なるほど、それは盲点だった」
といった、後から気づいたことによって、自分で慎重に行こうと思えるようになると思いますので、結局3ヶ月では購入は難しいかも知れない、と思って不動産投資を始めてみて下さい。