GPIFの15兆円の損失とリスクテイクの必要性|不動産投資家育成プロジェクト in 熊本

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杉上開発の安東です。先日GPIF(Government Pension Investment Fund 年金積立金管理運用独立行政法人)が15兆円の運用損失を出したことが話題になりました。具体的に言えば、GPIFが2月1日に発表した2018年度第3四半期( 10-12月期)の運用成績が、14兆8039億円の赤字となったということです。

このことを受けて「政府が私たちの年金を15兆円も溶かした」と感情的になる人もいれば、「累積黒字を考えないのは無知だ」と冷静に捉える人もいます。実際私たちはどうこの問題を捉えれば良いのでしょうか。

状況は冷静に捉えるべき

どちらかと言われれば、それは事態に感情的にならず状況を冷静に捉えて考えるべきだと言う方が賢明です。実際今回の15兆円の運用損失も、数字だけ見ればかなり大きい数字と言えますが、実際%で考えると全体で163兆円あったことから9%程度のマイナスだったと分かります。

15兆円減った

9%減った

この2つの表現方法のどちらを切り取るかによって印象がまるで違うわけです。同じ情報なのに不思議ですね。

さて、平たく言えばGPIFがやっていることは投資なので、中には「国民から集めた金で投資やってるのか」と言う方もいますが、実際このようにリスクテイクしてでも運用をさせていかないと、預金という選択では間違いなく実質減っていくしかないわけですから、ここは目をつむるしかないとも言えます。

また、公的年金の払い手自体がどんどん減っていく上に、それに比例して受取手である高齢者が増えていくわけですから、減っていくのを指をくわえて見ているだけというわけにもいきません。運用して足りない分を補っていかなくてはなりません。

また、これが長期的な投資である以上、短期的なプラスやマイナスに一々反応するのもナンセンスです。実際、この巨額な損失を出した後には利益を少し取り戻し、トータル6%程度のマイナスまで回復していると言います。

1億総リスクテイカー時代

とは言うものの、これはあくまでも公的年金に期待することを前提とした話です。実のところ私個人としては、もう自分の頃には年金はもらえないとすら考えています。運用がプラスだとは言え、金額だけ見れば明らかに足りないからです。払った分だけ戻ってくる保証はどこにもない。

さらに2019年5月22日に行われた金融庁金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第23回)の報告書案の話が5月23日に朝日新聞に載るや、これがまた話題となりネットやSNSで拡散。その内容が「老後のためには年金だけでは十分ではなくなる可能性があり、自助努力も必要です」というものでした。

これを国の方針として発表するということは、国が将来的な公的年金に対して不安視している証拠ですし、勿論年金だけで生活している人がざらにいる現代を前提に考えた時にこれを発表するということは、よっぽど先行きが心配な状況になってきているということです。

今は日銀のETF買いとGPIFの運用によって株価が半強制的に引き上げられ、その恩恵を受けて運用実績が底上げされているような状態ですが、これがもし日本単独のデフォルトにしろ、世界同時恐慌にしろ何かしらが起こった時には、一気にこれまでの累積黒字が吹っ飛ぶ事態になります。そういったリスクを考慮しての発表だったかも知れません。

いずれにしても、先日の終身雇用の不可能性、年功序列の崩壊と相まって、益々将来的な国のサポート体制は期待できなくなっていくと言えそうです。ということは、私たちは益々自分の身は自分で守らねばならないということで、それは要するに、国に頼らずとも生きていける力を養いなさいということだと言えます。

私はこれを、私たち一人一人がもっとリスクテイクしてでも自分で稼げる術を身に付ける必要がある、と解釈しています。

不動産投資が1つの可能性

そういった発想を持つと、不動産投資というスキルは、将来に備えるための1つの可能性になると考えられます。労働収入ではなく資産収入による生活安定を築くということです。

私たちはいつまで働けるか分かりません。働けなくなった時に公的年金も当てにできませんと言われたら、正直絶望しかないと思います。労働収入の発想しかなければ何もできないからです。

公的年金がダメだということは生活保護も保証できないということではないでしょうか。年金はないけど生活保護に回せるお金はあるという理屈はどうも通らない気がします。優先順位を考えれば、同じお金があるなら公的年金の補填に回されて然るべきですから、生活保護も当然当てにすべきではない。

ということは、今から将来に向けて安心できる材料を集め、仕組みを築き、自分で自分の人生をコントロールしていく力を手にするしかありません。その準備をするとしないとでは大違いかと。

もちろん不動産投資だけが方法ではありませんが、こうした可能性を1つ1つ吟味し身につけていくことが、行動力として必要な時代になってきていると思った方が良いと私は思っています。できることから1つずつ、です。

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