賃貸でペットを飼いたいと思っても、簡単なことではありません。
通常、賃貸物件の場合、「ペット可」と書かれていないのに飼ってしまうと契約違反になります。契約時によく確認しておくことが大事です。
賃貸物件でペットを飼う際に注意してほしいことが「退去費用」です。
今回はその退去費用について詳しく見ていきましょう。
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ペット可能の賃貸物件にかかる原状回復費用について
原状回復とは、お部屋を借りた人が故意(わざと)や過失(うっかり)でできた傷やよごれ、通常の使用を超える使用でできた傷や汚れを復旧することであり、普通に使っていて生じる劣化や損耗、経年変化などは、基本的に部屋を貸した大家の負担としています。
■退去の際に請求される項目と平均相場
では、ペットを飼っていると、どのような部屋の傷みで請求されるのでしょうか?
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の建具、襖、柱等の項目にこう記されています。
「飼育ペットによる柱等のキズ・臭い(ペットによる柱、クロス等にキズが付いたり、臭いが付着している場合)」
この場合は貸借人の負担になるとされています。
ペットを飼うと、ほぼ確実に部屋の劣化は早くなります。
普通の使い方より「修繕費用は高くなる」とはじめから考えていたほうがよいでしょう。
では、実際に退去の際に請求される金額はどれくらいでしょうか。
ペットが関係するものは主にこの2つです。
1.フローリング
2.クロス
■フローリングの傷
ペットを飼っていなくても、普通に住んでいるだけでも多少傷はつきます。
ペットの性格にもよりますが、犬や猫の多くは元気に走り回ります。その結果、フローリングが傷だらけになってしまうことも・・・
相場としては、1㎡あたり約3,000円〜8,000円です。
仮に6帖の部屋のフローリングをすべて貼り替えるとなると、約30,000円〜75,000円になります。
床を傷つけない対策をしましょう。犬や猫も過ごしやすい、毛足の短いカーペットを敷いたり、タイルカーペット、コルク床を使えば、汚れた箇所だけ洗浄・交換できるので安心です。
■クロス
犬や猫は、物をかじったりひっかいたりする習性があります。その結果、柱が傷だらけになってしまったり、壁紙が破れてしまったりとボロボロに・・・
こちらも基本的には借主の負担になります。相場としては、1㎡あたり1,000円~1,500円ほどです。
ペットの「染み付いた臭い」に関しても修繕費用として請求される場合があります。
臭いを染み付かせないよう対策をしましょう。床に尿や便、壁にマーキングをしたら速やかに掃除することを習慣にしましょう。
猫の場合は、よく毛玉や食べ物を吐き出します。できるだけ早く片付け、清潔な環境を保ちましょう。
ペット可能の賃貸物件での敷金精算について
一般的に、原状回復費用は契約時に支払った敷金から差し引かれ、借りた人に返還されます。しかし、敷金を超えている場合は敷金は返還されず、超えている分の原状回復費用を追加請求されることになります。
退去時の原状回復トラブルを未然に防ぐには、何よりも賃貸借契約を交わす際に、確認をしっかりとすることが大切です。物件を貸す人と借りる人の間で負担する範囲や費用などを確認し、お互いが納得してから契約するようにしましょう。
退去時は、入居時の賃貸借契約書に沿った原状回復費用の詳細、敷金からの差し引き精算となっているかどうかをしっかりチェックしましょう。
まとめ
ペット可の物件は基本的に普通の物件に比べて家賃が高く設定されている傾向があります。
ペットを飼っていると、退去時に臭い除去が必要だったり、修繕する箇所が増えると予想されているからです。
ただし、あまりにも部屋の破損箇所が多いと修繕費用が敷金をオーバーしてしまい、追加で費用を請求されるということになります。ペットを飼う際は、その費用のことも念頭に置いて、部屋を綺麗に保つ意識を持っておくことが大切です。
ペットは日常の経年劣化ではないため、通常のリフォーム工事で費用請求がされないような内容でも、請求されることが良くあります。
賃貸でペットを飼うということは、それだけ責任も伴うということです。
費用面でも様々な費用がかかることを理解した上で飼うようにしましょう。